最近、取締りが強化されてると聞くけど、実際どうなのか。
もし、取締りにあった場合、どういう流れになるのか。
このページでは、特殊車両の取締り方法と、現状についてご説明します。
特殊車両の取締り
まずは、どのような流れで取り締まりをしているのかみてみます。
- 警告・措置命令
- 是正指導
- 公表
- 許可取消し・刑事告発
警告・措置命令
警告は、わかりやすく言えば「注意」です。強制力はありません。
措置命令は、例えば、総重量の軽減や高速道路からの退出命令などのことです。強制力がありますので、警告より厳しいイメージを持ってもらえればと思います。
是正指導
常習的に違反する会社に対しては、警告と措置命令が繰り返しだされ、対面での是正指導もおこなわれます。
公表
それでも、改善されない場合は、社名が公表されます。
ちなみに、2016年9月現在、数社が公表の対象になっています。
許可取消し・刑事告発
最後に、許可取消し、刑事告発ですが、文字通りいちばん厳しい内容です。
通常は、1~4の順番で段階的にすすみますが、重大事故を起こしてしまった場合などは、一発で許可取消し、刑事告発になる可能性もあります。
また、2015年2月から、基準値の2倍以上の重量オーバーの場合は、即時に告発される対象になっています(レッドカード)。
具体例をみる
では、実際の取締りはどうなのか。
ここでは、名古屋国道事務所が公表している、2015年のデータをみてみます。
対象は、4路線で、計15回の取締り結果です。
まず、車両を停めて確認作業をおこなった台数が63台。そのうち、違反があったのが、59台だったため、無違反はわずか4台という結果でした。
つづいて、違反車両に対してどのような取り締まりがおこなわれたのか確認します。
取締り方法 | 台数 | |
---|---|---|
警告 | 49台 | |
措置命令 | 重量の軽減 | 5台 |
21時まで運行中止 | 3台 | |
運行中止および重量の軽減 | 1台 | |
徐行 | 1台 |
この表からわかるとおり、ほぼ警告です。常習的だったり、悪質なケースでは措置命令がだされることもありますが、現状は、まずは警告でおさまる可能性が高いといえます。
また、違反車両59台のうち、特殊車両通行許可をとっていた車両は34台で、無許可車両が25台でした。
つまり、許可をとっていても、許可された経路以外を通行したり、通行条件に違反しているなどの理由で摘発されることもあるということです。
許可をとったあとの遵守事項についても軽く考えずに対処する必要があります。
まとめ
- 取締りには、警告・措置命令、是正指導、公表、許可取消し・告発がある。
- 現状、悪質でなければ、まずは警告になる可能性が高い。
- ただし、法令違反であることにかわりはないので、いきなり措置命令がくだっても文句は言えない。