大型車誘導区間ということばを聞くけど、特殊車両通行許可の申請をするときにどう関係するのか?なにか気をつけることはあるのか?
ここでは、イメージがつかみにくい大型車誘導区間についてご説明します。
大型車誘導区間とは
大型車誘導区間とは、「大型車はこっちを通行してくださいよ」と指定されている道路のことです。
なぜこんな制度があるかというと、大型車が通行することが、道路の劣化の原因になっているため、大型車にはなるべく頑丈な道路を通行してもらって、道路を守るということと、交通をスムーズにまわしたいという考え方があるからです。
特殊車両通行許可の取得を簡素化するという目的もあります。
2016年4月に700キロメートル追加されて、現在の総延長は約34900キロメートルになっています。
東京周辺だとこんな具合です。
(赤、青、グレーすべて大型車誘導区間)
引用元: 国土交通省
メリットは?
気になるのは、特殊車両通行許可をとるにあたって、どのようなメリットがあるかです。
手数料が安くなる
1経路200円の手数料が、160円になります。
許可までの期間が短くなる
国がまとめて審査するため、許可までの期間が短くなります。
従来は、20日程度かかっていたものが、3日程度に短縮されます。
ただし、この期間の短縮は、大型車誘導区間のみ通行する場合の話です。
出発地から目的地までの間に、その他の道路、例えば、市道など通る場合は、従来通りの申請になります。
オンライン申請をするとき、走行ルートが大型車誘導区間で完結している場合は、PC画面上に「申請車両および通行車両のすべてが大型車誘導区間の審査対象です」と表示されるようになっていますが、さきほど述べた理由で、あまりお目にかかることはありません。
対象車両
申請できる車両には条件があります。もちろん、一般的制限値よりは条件がゆるくなります。
この図の条件をクリアしていれば、さきほどご説明したメリットが受けられるということです。
引用元: 国土交通省
まとめ
- 大型車誘導区間の目的は、道路の保全と交通の円滑化、特殊車両通行許可取得の迅速化。
- メリットは、許可取得期間の短縮と、手数料が安くなること。
- ほとんどの走行ルートが大型車誘導区間のみで完結しないため、メリットを享受できない実態がある。