もしかすると、特殊車両通行許可をとれば、文字通り自由に通行できると思っていませんか。
残念ながら、無条件に許可が下りることはありません。
ここでは、かなり厳しい通行条件についてご説明します。
通行条件について
原則、通行を禁止されている特殊車両が例外的に通行を許可されるわけなので、行政としても、無条件に通行をゆるすことはありません。
許可には、条件がつきます。
条件 | 重量についての条件 | 寸法についての条件 |
---|---|---|
A | 条件なし | 条件なし |
B | 徐行、連行禁止 | 徐行 |
C | 徐行、連行禁止、誘導車 | 徐行、誘導車 |
D | 徐行、連行禁止、誘導車、2車線内に他車を通行させない、その他 |
徐行
すぐに停止できるスピードのこと。これは問題ないと思います。
連行禁止
2台以上の特殊車両が縦列をなして、同時に橋や高架の道路を渡ってはいけないことをいいます。
橋の上に重量が大きい特殊車両が複数通ると、橋へのダメージが大きいので、このような条件があります。
誘導車
カーブや交差点などを通るときに、交通安全のため誘導したり、橋の保全のために特殊車両の前後に誘導車を配置します。
引用元: 国土交通省
その他、誘導車の役割の例
- 前方の安全確認と、走行速度のコントロール。
- 後続車両が特殊車両を追い越すさいの誘導。
- 積載貨物がグラついていないかのチェック。
2車線内に他車を通行させない
橋や高架で、特殊車両のとなりに他の車を並ばせないことをいいます。連行禁止と同じで、橋へのダメージが大きくならないように、このような条件があります。その他、通行時間帯(夜間通行限定)などの条件もつけられます。
通行条件の問題点
オンライン申請の場合、通行条件が事前にわかりますので、なるべく条件がゆるいルートを選ぶなど工夫することはできます。私自身、D条件が出たら迂回するなど、算定をしながら経路作成します。
ただ、実際は海コンは言わずもがな、他の車両でもあっさりC条件がつきます。
運送業界の方ならご存知のとおり、誘導車を使っているのはごく一部という実態があります。
これは特殊車両を扱う会社が悪いのでしょうか。
個人的には、制度と実態があまりにもかけ離れていることが問題だと考えています。いちばんいいのは、現在の条件のつけ方を見直すことでしょう。
もちろん、同じように考える方は多いので、国土交通省に対して、同じ趣旨の意見書もだされていますが、2018年現在、なんらかの解決策が示されているとはいえません。
きちんと特殊車両通行許可をとって営業しようとしている会社が、割を食うようなことがあってはいけませんので、少しでも制度自体がいい方向に向いてほしいものです。
まとめ
- 通行条件には、徐行、連行禁止、誘導車、併進禁止がある。
- C条件以上がつけられることが多い。
- C条件は実情に沿っていない。