重さ指定道路と高さ指定道路
特殊車両通行許可について調べていると、車両の種類と同じく、道路にもいろいろと種類があることに気づくと思います。

ここでは、

  • 重さ指定道路と高さ指定道路とはどういうものか。
  • 通行するには許可がいるのか。

この2点に焦点をあててご説明します。

重さ指定道路とは

まずは、一般的制限値を思い出していただくと、車両の重さは20トンまでOKでした。

一般的制限値について確認したい方は、特殊車両通行許可の記事でどうぞ。

重さ指定道路とは、

  • 道路が保全できるか。
  • 交通の危険防止上、支障はないか。

という視点で考えたとき、とくに問題がないため、一般的制限値を引き上げて、最大25トンまでの重さの車両が通行してもいいですよと決められている道路です。

重さ 長さ 最遠軸距
20トン 12m以下 5.5m未満
20トン 9m未満 5.5m以上7m未満
22トン 9m以上12m以下
20トン 9m未満 7m以上
22トン 9m以上11m未満
25トン 11m以上12m以下

最遠軸距とは

この記事を読んでいるあなたは、おそらく車両に詳しいと思いますが、念のため、最遠軸距(さいえんじっきょ)についてご説明します。図を見てもらうのがいちばんわかりやすいです。

最遠軸距

最遠軸距とは、車両の最前輪のタイヤの中心から最後輪のタイヤの中心までの距離のことです。ホイールベースと言ったほうがわかりやすいかもしれません。

重さ指定道路では、この最遠軸距と車両の長さによって、何トンまで通行していいか決まります。

↓重さ指定道路の標識(設置されていない道路もあるので結構アバウトです)。

重さ指定道路の標識

高さ指定道路とは

こちらも、まずは一般的制限値を思い出していただくと、車両の高さは3.8メートルまでOKでした。

高さ指定道路とは、

  • 道路が保全できるか。
  • 交通の危険防止上、支障はないか。
という視点で考えたとき、とくに問題がないため、高さ4.1メートルまでの車両の通行がみとめられている道路です。

↓高さ指定道路の標識

高さ指定道路の標識

特殊車両通行許可は必要か?

では、重さ・高さ指定道路と特殊車両通行許可の関係はどう考えればいいのか。

例えば、あなたの車両が、最遠軸距7メートル以上、長さ11メートル、重さ23トンだとします。
車両の重さは25トンまでOKなので、重さ指定道路を通行するだけなら許可はいりません。

ただ、実際は重さ指定道路以外の市道なども通ることがほとんどなので、結局、許可が必要になるケースが多いのが現状です。

参考までに、重さ・高さ指定道路の状況が確認できるサイトがありますのでリンクを貼っておきます。

大型誘導区間の指定道路及び重さ・高さ指定道路の状況

まとめ

  • 重さ指定道路は、車両によって、最大重量25トンまで通行可。
  • 高さ指定道路は、高さ4.1メートルまで通行可。
  • ただし、走行経路が重さ指定道路だけで完結することはまれなので、特殊車両通行許可が必要になることが多い。